土地だけを扱って成功している不動産会社
こんにちは。
不動産ネット集客コンサルタントのたろうです。
「夢のマイホーム、やっぱり自由設計で建てたい」
そんな、夢を持ったお客様は近くの工務店にまず話をしに行きます。
工務店はねんごろに対応し、希望の住まいを聞きデザイン。
「おお!これだ、こんな家が欲しかったんだ!
これを建てたいです、お願いします!」
「ではこれで建てましょう、きっと素晴らしい家が出来上がりますよ!」
そんな未来の希望に満ちたお客様。
そして工務店はこう聞きます。
「それで土地はどちらにあるのでしょうか?」
「土地は、、、、探してくれるんじゃないんですか!?」
土地はどこだ~?
以上は架空の話ですが、同じような話をよく耳にします。
このように、土地を持っていないが、注文住宅を希望している人を業界では「土地なし客」と読んでいます。
自力で土地を探そうとする人もいますが、たいていは工務店が知り合いの不動産会社に依頼をして土地を探してもらいます。
ただ、実を言うと工務店は不動産会社に依頼をしたがらないです。
その理由は、不動産会社は、土地を探さずに、戸建をお客様に勧めてしまうからです。
不動産会社からすれと、土地だけであれば2,000万円ですが、建物込みで3,500万円の物件を仲介できれば、その分多くの仲介手数料が入ります。
また、不動産会社の営業担当の方は、工務店との連携が不得手である場合が多いです。
以上から、面倒で、手数料が少ない土地を紹介するよりも、得意の戸建をお客様に勧めてしまうわけです。
一方で、工務店としては、せっかくデザインまで渡したお客様を不動産会社にとられてしまうことになります。
全く売り上げが上がりません。
そんなわけで、工務店は不動産会社に依頼をしたがらないです。
そんな複雑な関係がある中で、先日とある不動産会社さんに出会いました。
その不動産会社は土地だけを取り扱っていました。
その結果、なんと、あろうことか工務店からの紹介だけで10年超事業を続けているそうです。
不動産会社嫌いの工務店がどうしてこの不動産会社さんには紹介してくれるのか。
理由は簡単で、お客様を紹介しても戸建を勧めないからです。
デザインした住宅を建てることを前提に土地を探してくれるからです。
その結果、工務店は安心してお客様を紹介できるので、今では、その紹介率は、なんと大手ハウスメーカーの紹介率を超えているとのことです。
単純に取扱い物件種別を絞るだけで、凄いことが起きるものだなーと感心しました。
土地だけを取り扱っているというだけで、工務店のニーズを掴んで10年以上経営できている不動産会社。
中小の不動産売買仲介会社さんは非常に厳しい環境に置かれていますが、こういったちょっとしたことで差別化できるものなんですね。
非常に勉強になりました。
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