これは聞いてよかった、倉本聰氏の講演 スピーチは「構成」と「表現力」で決まる!
こんにちわ。
不動産ネット集客コンサルタントのたろうです。
今日は、不動産流通経営協会(略称:FRK)の住まいと暮らしのセミナーに参加しました。
住まいについて、著名人の講演を聞くセミナーです。
セミナーは2本構成だったのですが、後半は脚本家の倉本聰氏の住まいに関する話でした。
内容は、氏が富良野に移住して、生きることについての原点を見つけ、便利になりすぎた世の中の生活に対する警鐘を鳴らす、という内容です。
内容も素晴らしかったですが、今回、感銘を受けたのは、そのスピーチ。
会場を笑いの渦に巻き込んだり、真剣に聞き入らせたり、縦横無尽なスピーチ。
しゃべりは冒頓としているのにどうしてこんなに聞き入ってしまうスピーチができるんだろうと考えたところ、構成と表現力がずば抜けていることがわかりました。
1.構成
まったく難しいことは言わず、すべて身近な日常で起きた氏のエピソードからスタートします。
そうすると、聴衆はいったん「?なんでそんな話を今するの?」とはてなマークが出るのですが、話が面白いので引き込まれる。
そしてエピソードの終盤になって、便利になりすぎた世の中に対する警鐘を鳴らすメッセージを伝える。
聴衆には「なるほど~」とストンと入ってきます。
たとえば、知人が富士山を登頂したことを自慢げに話していたとき。
氏はは5合目から登ったのでは3,776mを登ったことにはならないと言ったそうです。
そうしてその知人は悔しかったので、翌年1合目から登った。
その話を聞いて、氏は「1合目も実は海抜1,300mある。3,776m登頂するのであれば、駿河湾から登頂しないといけない」
と答えたそうです。
そこから、海抜ゼロの思考法ということを意識するようになり、何事もゼロベースで考えるようにしてきた。
生きるということをゼロベースから考え直したとき、便利な東京から富良野に移住したということです。
ただ単にゼロベース思考と言うことができますが、身近なエピソードを交えての説明。
言葉の深さ、重さが違います。
2.表現力
本当に言葉が豊かなんですね。
引き出しが沢山あるんです。
たとえばできそこないの人参を表現するのに、ちょっと下ネタを入れたり。
あるいは、闇のこわさを伝えるために、小さい頃、押し入れや物置に閉じ込められた話を引き合いに出す。
それだけでいいのに、「今の家では押し入れに押し込めたら勝手に電気がついてしまうから・・・」という笑いまでも誘う。
全てが身近なものなので、会場全体に伝わるんです。
さすが、脚本家。
話し方は決してうまいとは言えないのですが、構成と表現力でここまで聴衆を惹きつけられるんだと感動です。
私の隣におじいちゃんがいたんですが、第一部の教授の話は死んだように寝ていましたが、第二部では気づくと笑い声を出していました。
蘇ってきてくれてほっと一安心しました。
せめて表現力をつけるために、物事を描写する表現を蓄えていこうと思います。
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