『真剣勝負』が意味するところ
- 2014.04.21
- 自己啓発
松下幸之助の大ベストセラー「道をひらく」に「真剣勝負」という説話があります。
竹刀や木刀などではなく、一戦一戦を真剣勝負、生きるか死ぬかの瀬戸際にいるかのように日々を過ごすべし、というお話。
以下転載します。
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剣道で、面に小手、胴を着けて竹刀で試合をしている間はいくら真剣にやっているようでも、まだまだ心に隙がある。
打たれても死なないし、血も出ないからである。
しかしこれが木刀で試合するとなればいささか緊張せざるを得ない。
打たれれば気絶もするし、怪我もする。
死ぬこともある。
まして真剣勝負ともなれば、一閃が直ちに生命にかかわる。
勝つこともあればまた負けることもあるなどと呑気なことをいっていられない。
勝つか負けるかのどちらか一つ。
負ければ生命がとぶ。
真剣になるとはこんな姿をいうのである。
人生は真剣勝負である。
だからどんな小さな事にでも生命をかけて真剣にやらなければならない。
もちろん窮屈になる必要はすこしもない。
しかし、 長い人生ときには失敗することもあるなどと
呑気にかまえていられない。
これは失敗したときの慰めのことばで
はじめからこんな気持ちでいいわけがない。
真剣になるかならないかその度合いによってその人の人生はきまる。
大切な一生である。
尊い人生である。今からでも決しておそくはない。
おたがいに心を新たにして、真剣勝負のつもりで日々にのぞみたいものである。
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私がこれを初めて読んだのは大学生のころ。
当時は、文字通り、毎日を妥協せずに最大限やり切ることだと捉えていました。
とはいえ、漠然とした認識だったのでなかなか自信を持って「一日やりきったなぁー」と言える日がなかった。
先日、十分な準備をしたつもりでお客様のところに訪問したのですが、お客様に満足いただけないことがあったんです。
なかなか考え方が合わないもんだなぁ、と思っていたところ、冒頭の説話を読み返す機会があったんです。
その時、やっと、わかったんです。
漠然と捉えていた、一日一日を最大限やり切るという考え。
この捉え方自体が甘かったんだなと。
それこそ、真剣に考えていなかった。
再び読み返して気づいたこと。
日々の仕事は誰かの悩みを解決する、あるいは誰かを幸せにするためのものです。
それには受け手がいます。
真剣勝負、それは、その受け手が何に困っているのか、どうすれば解決出来るのか、幸せになれるのかをトコトン思い巡らすことが第一歩なんだということです。
今回、満足いただけなかったお客様のことを私は真剣になって考えていなかった。
独りよがりな準備をしていたんです。
真剣勝負は必ず相手がいて、その相手に呼応して動かないと即死んでしまうことに、やっと気づいたんですね。
ふと思い出したのですが、中国古典に「孫子」という本があります。
一般的には戦争にいかに勝つか、という戦略のための本と認識されている。
ただ中身を見ると、人の心理を恐ろしいまでに追求している。
その上で、君主、総司令官という立場でやるべきことを本で表現してる本です。
剣道でも、戦争でも、勝負というのはいかに相手のことを知り、それに応えるかという洞察の深さで決するものなのかもしれません。
今一度、真剣勝負の意味するところを捉え直し日々を過ごそうと思います。
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