限界集落から再生しつつある「舘ヶ岡団地」を見学して学んだ1つのこと
こんにちわ。
不動産ネット集客コンサルタントのたろうです。
昨日、高尾にある舘ヶ岡団地を訪問しました。
舘ヶ岡という地名、あなたはご存知ですか?
知らないのも無理はなく、URが40年前に開発した総戸数2,800戸の大規模団地です。
40年前に入居した方々が今でも住んでおり、40%以上が高齢者世代。
限界集落の定義が、高齢者世代が50%以上なので、コミュニティとして限界ギリギリの状態だったそうです。
その結果、毎月、退去する人が続出し、かなり危機的な状況でした。
そこに、二年前から大和ハウス出身のURの方が担当になり、舘ヶ岡を再生させるプロジェクトが始まったそうです。
今回、その担当の方に団地を案内してもらいましたが、赴任当初はどうしていいかわからず、途方にくれていたそうです。
ただ、足を使って丹念に団地の魅力を探しだし、団地が持つ2つの自然の利点を見つけたそうです。
1.丹沢の眺望
高層棟の最上階の部屋は丹沢を一望できる部屋でした。
それにも関わらず、どうも部屋から丹沢を見ても映えなかった。
そこで思い出したのが、額縁効果。
額縁が高級だと絵も高級に見える。
早速、部屋を大幅改装リニューアルし、新築分譲マンションのモデルルームのような形にしました。
その結果、今まで退去が続いていたのが、改装した部屋は競争率が5倍まで上がったそうです。
2.団地内の桜
低層棟は5階建で、エレベーターがない。
間取は3Kでしたが、3つの部屋は全て和室。
本当に不人気で、担当者の方もどうしていいか頭を抱えていたそうです。
そんな悩み抱えていた時に見つけたのが、低層棟と低層棟の間に生えていた桜。
この桜がちょうど3階~4階の窓から外を見た時、真横に見えるんですね。
そこで、思いついたのが、桜を見るための部屋を作るということ。
しかも、部屋はDIY可で、原状回復なしでOKにしたそうです。
担当者の方は花見が好きで、趣味が高じてこんなモデルルームを作ってしまったそうです。
壁はわざわざ沖縄から取り寄せた珊瑚をベースにしたものを6層のグラデーションで塗っているこだわりです。
その結果、DIYに興味を持つ若い人の申込みが殺到し、もう1部屋しか残っていないほどの人気ぶりだそうです。
目の前に桜が広がる春を想像すると、夢が広がります!
上記2つの施策の結果、団地全体の魅力が高くなり、入居者のほうが多い状態に再生しているそうです。
魅力はそこにある 大切なのはどう引き出すか
2つとも自然を活かし、再生ですが、いずれももともとあった自然の魅力です。
大切なのは、どうやって、それに気づいて、最大限魅力を引き出すか。
現在の舘ヶ岡団地正面
魅力は何処にでも落ちているんだと思います。
その魅力に気づく人がいて、それをプロデュースできる人がいることで、その地域の活性化につながるんですね。
常にアンテナを立てて、うまくいっている事例を引き出しにいれておく。
そして、いつでもそれを引き出せるプロであろうと思った次第です。
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