スペシャリストかジェネラリストか
- 2019.08.22
- リスティング
リスティング広告の相談を受けると、いつも考えさせられるのがスペシャリストとジェネラリストの話。
多くの広告運用会社のレポートを拝見して感じさせられます。
ほとんどの広告運用会社では業界を絞らずに、リスティング広告を運用代行しています。
そしてリスティング広告に集中して運用をしているので、経験値と知識は非常に多い。
その運用レポートもとても詳細で専門的です。
ただ、専門性が高いがゆえに、広告主にとってよくわからない用語も多く、提案内容が的外れな場合もあります。
例えば、ある不動産会社がブログを運営していて、あるキーワードでのアクセスが多い場合。
ユーザーにとって関心の高いキーワードだと判断し、それを広告に組み込んでいきましょう、という提案がされます。
このような流れでの提案は、書籍やセミナーなどでも紹介される改善方法です。
このようなやり方が悪いわけではないのですが、広告主のビジネス視点では全く意味のない提案になってしまう場合があります。
これは実際にあったお話ですが、不動産売買仲介業で「頭金」というキーワードの検索が多い会社のHPがありました。
リスティング広告の広告代理店からは、頭金に関するキーワードを追加し、頭金に関するランディングページも作りましょう、という提案がされました。
業界の人ならわかると思いますが、頭金はすでに購入物件をほぼ決めた方が、どれくらい支払うのが相場なのか、解約したら返金されるのか、という動機で検索される場合が多いもの。
そのため、リスティング広告で物件の売買を検討しているお客様を集客したいという目的からは、的外れなキーワード、ランディングページとなってしまいます。
というのは、売買仲介業のビジネスを一通り理解できれば判断できることですが、残念ながら業種を絞らずにリスティング広告を運用していると、お客様のビジネスモデルや業界知識が定着しないために、こういったことが起こります。
運用広告代理店はリスティング広告の運用という視点からはスペシャリストなのですが、お客様のビジネスという視点ではスペシャリストではない場合がほとんどです。
こういったことはリスティング広告代理店だけでなく、HP制作会社から税理士や弁護士といった士業でも同じことが言えますね。
そういう意味では、スペシャリストではなく、お客様のビジネスを理解するジェネラリストとしての心構えも必要ではないでしょうか。
ただ、そんなことをしていたらいくら時間があっても足りない、という提供側の理屈もあると思うので、何が正解なのかという答えはないと思います。
ただ、冒頭のようなレポートを拝見するたびに、私たちは業界を不動産・住宅業界に特化してそのビジネスモデルを理解し、お客様の事業を拡大できるサービスの提供・提案を行おうと思いを強くする次第です。
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