不動産業もコンテンツが求められる -会員登録による囲い込みモデルの限界-

不動産業もコンテンツが求められる -会員登録による囲い込みモデルの限界-

 

こんばんわ。

不動産ネット集客コンサルタントのたろうです。

 

突然ですが、不動産を検討し始めてから、実際に購入する期間、何か月くらいかご存知ですか?

今日、調べ物をしていたらこんなデータを見つけました。

リクルートが2011年9月に公表した

「1000人の 買った理由 買えていない理由」

です。

 

家さがしから契約まで8.1ヶ月

このデータによると、家さがしから購入契約に至るまでは平均8.1ヶ月だそうです。

検討開始というのはやはり具体的なものを見始めてからだと思うので、折り込みチラシやネットで物件を探し始めたときでしょうか。

会員登録型の不動産売買仲介会社の場合は、会員登録がまさにそのきっかけかと思います。

 

では、今月2013年10月に会員登録をした場合どうなるのでしょうか?

実際に購入するのは、2014年6月頃という計算になります。

もちろん、すべての購入お客様に言えることではないですが、こんなお客様が多いということになります。

 

検討初期のお客様は電話してほしくない

それくらい長い時間検討しているお客様に対して、会員登録をした時点で電話をして、来店を勧めたら、お客様はどのような印象を持つでしょうか?

会員登録した人の10人に9人は、「会員登録したら不動産会社から電話がかかってきてびっくりした」という意見です。

会員登録した時点では、まだ軽い気持ちで検討し始めたばかりなので、具体的にまだ考えてなくてびっくりしたんでしょうね。

私も業界を知っているのである程度覚悟はしていますが、電話が直接かかってくると、やっぱり「うっ」となります。

私も含め、お客様は自分たちのペースで家探しをしたい。というのが本音です。

自分で探したいからほっといてくれ!というのがお客様の正直な気持ちです。

また、不動産営業マンも、そんな購入検討初期の人に対して猛烈な電話営業をかけるのは精神的につらい仕事なのではないでしょうか。

 

電話営業する営業マン

電話してほしくないのに・・・

 

不動産業も情報(=コンテンツ)を提供していくことが求められている 

では、不動産会社としては何をすればいいのか?

指をくわえて待っているだけ?

もちろん、違います。

私の答えは、家探しの手伝いをする、です。

具体的にいうと、お客様が「この不動産会社の情報は知りたい見たい!」と感じてもらえるような情報を提供していくことです。

 

たとえば、お客様は基本的には地縁があるところに住みたいと思っています。

そこで、「○○駅徒歩15以内の物件情報だけは更新スピード、物件量は絶対に負けない」というホームページを作ったとしたら。

○○駅で家を探しているお客様は、いろんなサイトを見た結果、最終的にはそのホームページの情報を見に来るようになります。

そして、希望のスペックの物件が見つかったら間違いなく連絡をします。

「実は、△△不動産さんのHP、毎日見てたんです。そうしたら・・・」と。

そんな夢みたいなことあるのか!?というご意見をいただきそうですが、実際にそういう不動産会社が現れてきています。

 

情報を隠さず、真っ先に出す会社が選ばれる 時代に

今のところ、レインズの物件情報を吸い上げて、マスクをかけてHPに掲載し、会員登録してもらう、という手法はまだ有効のようです。

ただ、もう不動産業界の中でも気づいている方も少しずつ出てきています。

ネットの普及で情報の格差はほとんどなくなっている中、これまでのような、情報の格差を利用した顧客の囲い込みは通用しない、と。

 

お客様に寄り添って、真っ先に情報を提供していく。

そんなお客様目線の不動産会社が選ばれる時代が近づいてきています。