大手売買流通が買い客集めを強化?
売り客を集めてきた大手不動産流通会社
最近、大手不動産流通会社の担当の方とお会いする機会があるのですが、各社ともに力を入れたいのは購入希望者、買いたいお客様の集客のようです。
ご存じない方向けに簡単にお伝えすると、大手不動産流通各社はこれまで売り客(自宅、不動産を売りたいお客様)の集客に力を注いでいました。
マンションのポストに「このマンションの60平米以上の部屋を探しているご家族がいらっしゃいます!」という投函チラシが入っているのを見たことがありませんか?
これは大手が得意とする売りたいお客様を集める手法です。(実際にそんなお客様が本当にいるのだろうか、と業界内では言われています)
買い客は効率が悪い
売り客だけでなく、買い客も集めればよかったのですが、なにせ買い客集めは効率が悪い。
10家族集めても、その中で本当に購入するのはせいぜい2〜3家族。買いたいと思っても、ローンが組めなかったり、学校の事情などで途中で購入をやめる、ということもよく起こります。
一方で売り客は10家族集めればよっぽどのことがない限り、売ります。10家族集まれば8〜9家族は売ります。売る理由があるから売るので、途中でやめた、というようなことがないわけです。
そのため、大手は効率のいい、売り客に特化して集客を行ってきたわけです。
時代と環境の変化が大手不動産流通を動かしている
しかし、インターネットの普及で、ユーザーが売却の委託先を自由に決められるようになり、業績が頭打ちになってきているという理由から、これまでのような方法で売り客だけ集めるだけでは成長できない、という危機感が出てきているようです。
メルカリのようなCtoCビジネスが不動産業界にも広がることを予想して手を打とうとしているのかもしれません。
私が以前勤めていた、不動産ポータルサイトには年初から大手不動産流通会社数社が物件を掲載し始めたと聞きましたので、流通業界全体として買い客の集客に力を入れだしているのかもしれません
買い客集めが得意な不動産会社の未来
買い客を集めるノウハウがまだ少ないので、業界的には大きな影響はないかもしれません。
ただ3年後、5年後を考えると、これまで買い客を集めてきた中堅・中小の不動産会社にとって大きな脅威になる可能性もあります。
どの会社も過去に安住はできない時代。
中堅・中小の不動産会社が大手とは別の土俵を新たに見つけていく必要があるかもしれません。
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