地場の不動産会社が生き残る方法
IT化が進めば大手がますます有利に
IT化が進むにつれ、規模の経済が大きく働くようになります。
流通業ではAmazon1強の状態となってきており、イオンやイトーヨーカドーといった既存流通会社はかなり危機的な状況になっています。
不動産業界でいうと、ITやAIに予算をかける会社が、集客や成約を総取りしやすい時代になっていくでしょう。
さらに少しずつCtoCビジネスも浸透していくでしょうから(大手不動産流通会社次第ですが)地場不動産会社の役割は急速に変革を求められるでしょう。
地場の不動産会社はどのように生き残っていけばいいのでしょうか?
溝の口の不動産会社がやったこと「野菜市」
月刊不動産流通の3月号でその答えになるかもしれない記事がありました。
「オーナー提供で地産野菜を販売、賃貸居住者の地元愛深める」
(月刊不動産流通3月号 P.54)
神奈川県川崎市高津区にある株式会社エヌアセットさんという不動産会社の事例です。
すでに記事をご覧になったかもしれませんが、概略を説明すると、
・営業エリアの「溝の口」は畑が多く、新鮮で美味しい野菜が多く収穫される。
・同社と付き合いがあるオーナーは、農業を兼業していることが多い。
・そこで同社の駐車場を使って、野菜市を開催。
・来場者数は多い時で約350人。同社の地域への知名度が・信頼感があがり、賃貸オーナーへの接触が容易に。
・野菜市以外にも「麦×ノクチ」「パパ×ノクチ」といった企画名で、近隣の飲食店舗などをイベント会場として地域経済の活性化につなげている。
・16年9月からの1年間で同社の「ワクワク広報室」(こういったイベントの推進組織)を通じての来店・接客数は81件、うち50〜55件ほどが成約に至っている。
こんな取り組みが紹介されていました。
なぜ住民はひいきにするのか?
最後の数字だけ見るとかなりすごい結果が出ていると感じます。
地場の不動産会社が生き残る道は、地元を元気にする主役になることで見出せるのではないでしょうか。
「地元を元気にしようと頑張っている会社がある。」
それを地元の住民の方が感じれば、やはり応援したくなります。
「不動産会社は怖いけど、あの会社は街のために頑張ってくれているから」という心境になります。
そしてさらにファンという存在になってもらえれば、強いつながりを築き、紹介へとつながります。
先見の明のある会社のみができること
ただ、こうした活動はいつまでにどれくらいの効果があるのか、という算段がつきません。
スケジュールを区切って費用対効果を測りづらいのです。
効果があいまいな施策は、会社としては及び腰になりがち。
だから経営者の感覚やひらめきといったものでやるやらないが決まるでしょう。
未開の地を進んでいくような感覚が必要です。
個人的には地元を元気にしたい、という不動産会社に生き残って欲しいと思っています!
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