契約者情報、活用していますか?
日経産業新聞に、こんな記事が掲載されていました。
「住宅系4会員組織を統合」 日経産業新聞 2018年11月26日発行
三菱地所グループが各社でそれぞれ保管・管理していた顧客情報を統合したという記事です。
これまでは、新築マンションの顧客情報であれば三菱地所レジデンスだけで、注文住宅の顧客情報であれば三菱ホームだけで、といった縦割りで顧客情報を保持していました。
それをすべて統合して各社で共有できるようにした、ということですね。
何のためにこれをやったのかというのは、記事にも書いてありますが、
・新築マンションを購入して20年経過したお客様に対して、リフォームを提案する。
・新築マンションを購入したお客様に、現状の価格相場を定期的に伝え、売却したいお客様が現れたときに、委任を獲得できるようにする。
・注文住宅を建てたお客様に対して、30年後に終の棲家としての新築マンションを提案する。
といった、ことが可能になり、お客様のライフステージに合わせて不動産回りの提案ができるようになるということですね。
さらに新しく三菱地所グループのアプリも作成すると書いてありましたので、それ以外にも商業施設への集客へも役立てていくことになるでしょう。
業界で最大規模とありましたが、これを実現するには担当の方の並々ならぬ努力や調整があったかと思います。
60万世帯に対して告知もしているでしょうから、仮に0.1%でも何かしらの反応があったら、その対応もかなり大変なことだったのではないでしょうか。
三菱グループは比較的横のつながりが強かったことも実現できた要因だったのでしょう。
ほかの財閥系グループの場合、ここまではできないのではないでしょうか。(特にグループ内でライバル関係にある場合など)
さて、話は三菱地所グループという大手企業に端を発しましたが、これは規模に関係なく不動産・住宅関係者であれば、今後絶対に必要な取り組みではないでしょうか。
人口減が叫ばれて久しいですが、新築需要は少しずつ減っていくでしょう。
そうすると例えば新築分譲戸建のみ提供している会社は少しずつ業績が縮小していきます。
過去の新築分譲したお客様に対してアフターケアとしてリフォーム需要を取り込んでいるのはその危機感からでしょう。
一方で、分譲した戸建てが全く関係のない仲介会社により売却されるケースもよく見聞きしているのではないでしょうか?
これはとてももったいないことです。
社内やグループ会社に売買仲介部門が存在しない場合、そこまで手が回らないという声もあると思います。
そういう場合は、信用できる(ここが大切)売買仲介会社と提携して、売りたいと考えているお客様を紹介し、win-winの関係を築くこともできます。
注文住宅の場合も同じですね。過去の施主の情報があれば同じことができます。
いずれにしても、まずは過去の契約者情報を一元化するということが不可欠です。
不動産や住宅会社の場合は、それらをデータ化しているところはまれかと思いますので、大変な作業になるかもしれません。
ただ、今後の事業を継続していくための肥沃な土壌を整えるために必要な投資。
少しずつでもデータを整備してはいかがでしょうか?
-
前の記事
不動産稲門会で70億分の1の確率の出会い 2018.11.29
-
次の記事
反響が出ないのはどこに原因が? 2018.12.12