自動化は万能か?
ある不動産会社の担当者様から主要ポータルサイトの物件情報をすべてクローリングし、反響したお客様の条件に適う新着物件を自動的に送るサービスについて伺いました。
ポータル反響へも自動的に物件情報を送信
売買流通サイトでは会員登録をすると希望条件に適合する物件情報を自動的に送信してくれる機能がありますが、それが会員登録したお客様だけでなく、ポータルサイトの反響や直接来店するお客様にもできるということで、営業と
すれば非常に楽になると思います。
見込客に自動的に好みの物件情報を送信してくれ、お客様が気になる物件情報があれば、問い合わせしてくる。
とても楽です。
忙しい営業担当にとっては非常に強い武器です。
自動化は万能?
ただ、少々怖いのはこうした自動化ツールを使うと、営業担当が頭を使わなくなること。
私が営業であれば、このツールを利用させてもらえるのであれば、ラクなので、連絡がつながらないお客様には追客しなくなります。
自動的に送信しているお客様の中で反応のあったお客様にだけ連絡を行い、物件を内見してもらう。
そしてそれでも決まらないようであれば、またツールで自動的に物件を紹介していく。
こうした、物件案内係的な動きをするに違いありません。
それで契約が取れれば楽ですので。
お客様は営業から物件情報が欲しいのか
ただ、営業という人間の将来を考えた時には、発展性が見えないのかもしれません。
また、お客様側から言えば、応接してほしいのは不動産のプロであり、案内係ではないでしょう。
人生で一番高いであろう買い物、失敗したくないのがお客様の気持ちでしょうから、失敗しないためのアドバイスが欲しいはず。
お客様の気づいていない物件選びの基準だとか、近隣周辺環境の評判だとか、そういったプロならではのアドバイスです。
利用会社が増えれば増えるほど
また考えておきたいのは、そうした自動送信サービスを利用する会社が増えば増えるほど、同じ情報を送る会社が増えるということ。
過去、会員登録がまだ始まったばかりの頃、新着物件の自動送信メールはかなり効果を発揮しました。
ただ、各社がこぞって会員登録型のホームページを作成したので、お客様にとって当たり前(あるいは迷惑)になってしまい自動メールの効果がなくなりました。
とはいえ、営業が追客しない、という悩みは多いと思うので、そのひとつの対策としては有効かもしれません。
そして、目新しいサービスですので当初は効果が出ると思います。
新着物件や値下がり物件の情報提供以外の機能も付加されていくと思います。
自動化されることは省力化されて善とされがちですが、営業担当、お客様にとって長期的に善なのかを判断した上で導入することをおすすめいたします。
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